2014年5月26日月曜日

広島県サイクルロードレース応援

525日(日)
勝負の世界は厳しい。それがたとえアマチュアの市民レースでも。
そう実感した一日だった。


ご近所KOMこと、はっちそんさんが広島県サイクルロードレースに出場するという。
彼は3月の西日本チャレンジに続き、今回が2回目のレースになる。
わしは夜勤明けで、さらに当日夜勤という日なのだが、出走が午後1時。
これなら応援に行けるかも。
前回までの感動巨編、石見グランフォンド編が終わり、ネタが枯渇していたということもある。

それに、われわれMCRMomijiCrazyRandonneurs)のチームジャージが、初めてレースという大舞台に登場する記念すべき大会ではないですか。
これは取材に行くしかないでしょう!

今回、わしに与えられた役目はチーム監督兼写真係である。
レースを知らないわしにとって、前者の機能は期待できないので、後者が主な任務である。

なので久しぶりに白レンズ70-200F2.8を引っ張り出してきた。
これまで自転車レースの取材経験はないので、撮影しながら慣れるしかない。

当日は10時半に、はっちそん号がお迎え。
わしもチームジャージ姿である。
高速で会場の広島県中央森林公園に向かう。
西条ICで下りて、近くのラーメン屋で昼食を補給。
はっちそんさんは「エネルギー切れが怖い」とラーメン大盛りを。
わしも同じものを頼む。780円なり。


わしは別にエネルギー切れを心配する必要ないのだが。
食後、「食べ過ぎた。体が重い」と訴える、はっちそんさん。
いまさら何を言うとってんかいね、とも思ったが、監督としては「レース前だ。並みにしとけ(キリッ)」とか言うべきだったのか (^_^;)
過ちは認めて次への糧にすればいい。それが大人の特権だ。(←きょうのガンダム)

森林公園は初めての訪問だ。
広島空港の北側にある。
レース会場はゲートからしばらく走ったところにあった。

到着は11時半。
赤いパイロンで仕切られたコースには、試走のロードバイクが行ったりきたりしている。
盛り上がるなあ。
スタートの1時までにまだ時間がある。




ところが「試走のバイクは戻ってください」とアナウンス。
正午からキッズのレースが二つあるため、コースをクリアにするらしい。
ありゃりゃ。
しょうがないので、はっちそんさんは周辺の道路にアップに行った。

あたりを見回すと、テントを張って、3本ローラーや固定ローラーを持ち込んでいるグループがある。




一人で来て、ローラーを回している人もいる。
家族で来ている人もいる。
色々と楽しみ方があっていい。

10分前からスタート地点に並ぶ。
わしが走るわけではないのだが、緊張してくる。



はっちそんさんが出るのはいくつかあるクラスのうち、一番下のビギナーだ。
13.2キロのアップダウンのあるコースを3周する。
県内や近県の約20人がエントリーしている。

発着点は折り返しになっていて、ゴールに向けて、上っていく。
最後の上りに差し掛かるヘアピンカーブで、コース幅が絞られている。
ここの処理がレースのポイントになりそうだという。
わしもその付近に陣取ってカメラを構えることにした。

ビギナークラスといっても、ライトウエイトやレイノルズなどのディープホイールを装着したバイクもあり、うそでしょ、といった感じだ。



はっちそんさんも緊張の表情だ。
午後1時スタート。
先導の大型バイクにしたがって、最初の下りはパレードランになる。



自転車が一団となって坂を駆け下りていく。
レースは上りに差し掛かったところから始まる。


ここから自転車が戻ってくるのを待つ。
バイクのエンジン音が聞こえてきた。
ヘアピンカーブに集団が現れた。





 赤、黒、白、水色のジャージも見えた!
あれ?コースアウトした。

後で本人に聞くと、前走車がアウトにふくらんできたので、接触を避けるためにコースアウトしたらしい。
惜しい失速だが、坂を駆け上がっていく。





ゴール地点に戻って、折り返してくる。
集団の後方に付けている。



そして2周目。
今度はヘアピンの前に陣取った。
来た!え、先頭集団にいる!!マジですか!!
思わず声を上げた。



隣りで観戦していたMANIの方も、はっちそんさんをご存知のようで「すごい!追い上げてきたじゃないですか」とおっしゃってくれる。
これは期待大。




残り1周。なんとトップで折り返してきた。
すげえ。このまま行ってほしい。

最後はゴール付近で撮りたい。
わしも小走りに最後の坂を上ってバイクが戻ってくるのを待つ。
トップが来た!

が、来ない。
MCRのジャージが来ない。
トラブルか?

トップから2,3分経ったか。
ようやく戻ってきた。
走れるのなら大丈夫か?



本人によると、最後のヘアピン前のカーブで、イン側の自転車と接触して落車したという。
う~~ん、これは残念だ。
だが滑ったため、一見ひどいダメージはないようだ。
が、きょうレースデビューしたジャージが・・・


あちゃあ。
これは痛そうだ。


多人数で走るからこそこういったトラブルが起きる。
その、すべてをひっくるめて含めたものがレースなのだろうな。
一人だけで走るのではなく、相手があるからこそのレースなのだから。
努力は必要だけども、それだけでは成果が得られない残酷さもまた競技の魅力なのだろう。

残念ながら、はっちそんさんは今回で当分レースはお休みということだ。

同じジャージを着ている一員として、また彼が全力を出し切ってレースを戦う姿を見てみたい。
表彰台に上る姿を見てみたい。


そう思った日曜の午後なのであった。
はっちそんさんお疲れさまでした!



2014年5月22日木曜日

石見グランフォンド2014 その9(完)

ken2さんとダウンヒルを始める。
眺めのいい場所があったのでパチリ。



ken2さんもすっかり復活したようだ。
そのそばをみんな猛スピードで駆け下りていく。

わしたちも再スタート。
40~50キロでかっとんでいく。
もう最高に気持ちいい。
先日の浜田往還ダウンヒルでの経験があるので、無理はしないけど。
耐えに耐えて貯めこんだ位置エネルギーがすごい勢いで消費されていく。
三瓶山に上ったものだけが許される超ぜいたくな浪費だけの時間。
本日2回目のヒャッハータイムです。

三瓶ダムの横を通り過ぎる。
ところどころに上り返しがある。
でも三瓶を克服したわしらには全然問題ないし。
ken2さんから「え、今の坂でしたっけ?」なんて上から目線の発言も飛び出す。
もう、すっかり回復してるし(^_^;)


三瓶川沿いの快走路に出た。
もう速く走る必要ないのにペダルを回して40キロ以上出してかっとんでみる。
ああ、満足ぢゃ。



ken2さんもアタックをかけてわしを抜かす。
ええで、ええで、何しても。

でもゴールは一緒だぜ。
抜け駆けはなしよ。

大田市内に入った。
三瓶川沿いから右折して、会場に東進する交差点に差し掛かる。

この交差点は140キロ、190キロコースと200キロコースが最後に合流する場所。
ken2さんはここで、200キロを走ってきた人たちに羨望のまなざしを送っていたとか。
今や、その羨望のまなざしを注がれる立場にある。
感無量(のふり)のken2さん。



おいらは初めてだから、わかんないや~(^_^)/
大田の田園地帯を抜けると、夕陽に照らされた海岸が見えてきた。

ゴールだ、ゴールだよ。
とろとろと走って、ゴールゲートをken2さんとくぐる。
時に午後545分ぐらい。

大田よ!私は帰ってきた! ←本日2回目のガトー少佐

受付を済ませる。
200キロのちっちゃな赤い完走証をもらう。

完走証はおまけみたいなもん。
完走したという証は何よりもわしの心と体にしっかりと刻み込まれた。
ほかに何もいらない。
それだけで十分だ。


よく走った。ほんとに。
やり遂げた。
なすべきことをなした。

きょうはもうこれでいい。
きらきらとした深い満足感、心地よい疲労感が全身を覆い、毛穴から零れ落ちてきそうなほどだ。
これで明日から頑張れる。
生きていける。
本当にいい休日だった。




走行距離195.7キロ、所要時間10時間38分、走行時間8時間6分。
平均時速24.1キロ、平均ケイデンス79、平均心拍数133BPM


今回の石見グランフォンドを企画運営されたサイクリストビューのみなさん、協力されたボランティアのみなさん、応援してくれた沿道のみなさん、一緒に声を掛け合って走った参加者のみなさん、広島からの一人モノを温かく迎えてくれたTBCのみなさん、Medeical Fortのみなさん。
そして、休みが合えば一緒に走り、最後の三瓶山を一緒に登ってくれたken2さん。参加を許してくれた家族も。
完走できたのはみなさんのおかげです。本当にありがとう。


さあ、来年に向けてペダルを回そう。
ゴールを再び迎えるために。

おわり


2014年5月21日水曜日

石見グランフォンド2014 その8

西の原から北の原へ。
走行ログを確認すると、標高差150メートル、斜度7%というところだ。
単独ならそうえげつなくない。
しかし170キロを走ってきた脚には実にこたえる。
ken2さんも「はきそう」としんどそうだ。
だが、ここをクリアしないと最後のCPにたどり着かない。
我慢して上るしかない。



そういやサポートバイクが「チョコバナナが待ってますよ~~」って言ってたよな~。
もう少し頑張るか。

最初にまっすぐな坂がきつい。先を見ないようにして淡々と進む。
大きな九十九折が二つあるのもきつい。インロー固定で淡々と進む。
夕刻が近づいてきた。木々を抜ける日差しもやわらかい。

ken2さんが少し遅れる。
わしは遅いなりにペースを保って、そのまま進む。
右手に草原が見える。
ピークはもう少しのはず。

一緒に上っていた人と「あともう少しですね」と会話を交わす。
「骨折して脚にチタンが入ったままなんですよ。エアロバイク中心にトレーニングしてきたのだけど、なんとか上れました」とおっしゃる。
すごいな。素直に感心する。
ここまで彼を引きつける何かがこのコースにはあるのだろうな。

そして。
着いた。
ピークに。
思わず「よっしゃ~」と喜びの声が漏れた。
たぶんガッツポーズをとっていたと思う。

STRAVAによると約590メートル。
よくぞ、ここまで上った。
標高だけならはもっと高いところに上ったことはあるが、状況が違う。
距離と標高の積み重ねが違う。
先ほどの人もうれしそうだ。
「やりましたね」と声を掛け合う。

とろとろと下って第7CPの北の原の三瓶バーガー前に到着。
午後440分。
ほどなくしてken2さんも到着。



駐車場に倒れこむ。
先行したTBCのみなさんが迎えてくれた。







わしはうれしさと達成感で、軽い興奮状態だ。
「やったねken2さん。三瓶が近くに見えるよ」←と言ったらしい。
ken2さんは「たっかんさん、バカですか。なんでそんなに元気なんですか。倒れるのが普通です」とあきれた表情で、お言葉を。

もともと柔道家のken2さんは運動素人のわしに対して、追い込むのに慣れている。
だから、坂でも、ついつい運動の強度をあげてしまうのだろうね。
わしはそこまで追い込めない。
その時は自分なりにがんばっているのだけど、5%ぐらいは余している気がする。
だから坂が終わっても、立っていられるのかな。
レースとかだったら追い込んで出し切らないといけないのだろうけど。

でも、すごいじゃないか。
ここまで上ったのだよ。
自転車で。自分の力で。
これは誇っていい。
やった~~!


ラスボスの三瓶山はやはり手ごわかった。
でも打ちのめされてもあきらめずに上ったよ。
それが大事。



エイドでコーラとキリリと冷えたチョコバナナをいただく。
三瓶山に乾杯!
う~~ん、んんま~~い。
勝利の味だ。自分へのご褒美だ。

ただ三瓶バーガーを食べるほど、食欲はなかった。
4時半を過ぎるとオーダーストップになるみたいだし。
きのう食べといてよかったにゃあ。

しばらくするとken2さんも復活してきた。
なんやかんや言って、わしと違ってアスリートだから、復活も早い。



25分ほど休んだ。
あとはゴールへ向かって下るだけ。
栄光へのダウンヒルを駆け抜けよう。

つづく