2014年7月23日水曜日

飯南ヒルクライム2014その3

スタートからいきなりの急坂が続く。
8%ぐらいなのかな。
とにかくダンシングで懸命に登る。
道路は2車線でゆったりしており、走りやすい。
試走の時はもっと路面に落ち葉や枯れ木があった気がするのだが、掃除されたのかな?

天候は薄曇り。
暑すぎず、この時期にしては絶好のコンディションだ。

が、しんどい。
心拍数がどんどん上がっていく。
時速10キロぐらいまでに落ちる。
700メートルぐらいで下り坂になる。
心拍は165まで上がっている。

下りは追い越し禁止なので、ちょっと脚を休める。
でも速度はどんどん上がり、50キロぐらいになる。
懸命に回す。

まもなく上り返しが来る。
勢いを殺さないように上っていく。
隣りをすごい勢いで抜かしていくバイクがある。
なんとかパスできるバイクもある。

二つ目の丘を越える。
また下りだ。
ここでスピードに乗っておかないと次の坂がきつい。
再び50キロぐらい出る。
アジサイが道端に咲くコーナーを過ぎる。
ここで序盤の半分ぐらいだ。
また上がる。
上ったり、下ったり、まるでジェットコースターだ。
心拍は160前後をキープしている。



レースでは実力が近い人が集まるのだな。
さっきから同じ人と抜きつ抜かれつを繰り返している。
坂を下りると、急カーブ注意のお知らせがある。
ようやく前半の終わりだ。


それまでの2車線の道路から狭い1車線の林道へ右折して突っ込んでいく。
係員がしっかり立って案内してくれるので、不安はない。

STRAVAのログで振り返ってみると、前半は平均時速約25キロだった。
速い人はここを30キロ以上で駆け抜ける。
わしとはものが違う。ほんま。

序盤、実にしんどかった。
出走30分前にはゼリーを飲んだはずなのに、ハンガーノックのような、体に力が入らない感じがある。
そればかりか吐き気までする。
今まで経験がなかったけど、これが追い込むってことなのか?


さあ、いよいよヒルクライム区間の本格スタートだ。

禁漁区の札がかかった渓流のそばを上がっていく。
まずは傾斜がゆるい谷筋の区間だ。
距離的にはヒルクライム区間の半分を占める。

谷筋なので、周囲は木々に覆われて涼しい。
試走時は路面が濡れていたが、きょうは路面はほぼドライ。
これは走りやすい。

ただ轍のない道路の中央部分にはコケが生えている。
ここは避ける必要がある。

がっし、がっしとほぼシッティングで進んでいく。
ほぼ同じペースのバイクと一緒に進んでいく。
さっき頑張って抜かしたら、ぴたりと後ろにつかれてしまった。
ありゃ、わしがペースメーカになっている?もしかして。

もっとも簡単にぶっ千切れるような脚も持っていないので、そのままぜえぜえはあはあと脚を回すしかない。
ちょっと斜度がゆるくなったとこで頑張って引き離す。
どうだ!と思って後ろを見る。
するとまもなく後ろから激しい息遣いが聞こえてくる。
追いつかれた!
負けられない。
手抜きはできない。

後ろの人もわしに遅れまいと必死。
わしも抜かされまいと必死。
競い合うことで、互いにいつも以上のパワーが出ていたのかもしれない。

グレーチングの隙間が広く空いているコーナーを抜ける。
まもなく左側にコンクリの雍壁がある右への急コーナー。
このあたりから谷筋が終わり、山の斜面へと出る。



景色が広がる。
斜度も次第に急になる。
荒鹿坂の激坂が牙をむく。

まさに胸突き八丁。
九十九折を上がり、どんどん高度を稼いでいく。
コーナーの内側を突くような攻撃的な走りはできない。
外側をゆるゆると上るだけ。
時速10キロ前後。
心拍数は160前後をいったりきたり。
160を超えて、ちょっと辛いと感じたらペースを落とす。
でもしんどい。



この激坂で後ろについていたバイクがようやく離れていった。
息遣いが遠くなっていく。
ちょっとした勝利の快感だ。

ほぼ急坂が終わった。
と、道端に応援の一団が。
それぞれにお目当ての選手がいるのだろうが、わしたちにも等しく声援を送ってくれる。
素直にうれしい。
いいところを見せようと、頑張ってダンシングをして上っていく。



山を回りこむようにして、峠のピークが近づいてくる。
残り2キロの看板が出る。
ここから左折して尾根筋に入る。
あれ、前を走っていた人がトラぶってバイクから下りている。
こういうこともあるんだな。

斜度は緩くなるが、激坂を上りきった脚には応える。
左手には壮大な風景が広がるが、見る暇がない。
ほかのバイクを抜かす。
「あともう少し頑張りましょう!」と互いに励ましあう。



と、ちょっと前にゴールしたはずのken2さんがコース脇に。
写真を撮りにわざわざ来てくれたのだ。
これはうれしい。
ヒャッハーーーー!!

撮影・ken2さん

撮影・ken2さん

撮影・ken2さん

最後にもう一張り。

ゴール前100メートル。
ラストスパートだ。

撮影・サイクリストビュー

すると、ワゴン車が見えた。
ようやくゴールだ。
計測装置のあるゴム床の上を駆け抜けた。

やった。おわった。
わしにとって初めての自転車レース。
確かに疲れたけど、気持ちいい。
石見グランフォンドの200キロを走りきった時とまた違う満足感だ。
ともかくゴールできた。

絶対的には速くはないけど、少しは人も抜かせた。
わしも捨てたもんじゃない。
そう思えたのだった。

つづく

2014年7月22日火曜日

飯南ヒルクライム2014その2

で、さっそくだが結果を。
5011だった
あともう少し速ければ40分台 (^_^;)
クラス別40代の部では67人中39位。
総合では206人中125位でした。
いずれも真ん中よりちょっと下ってところだ。

偏差値で言うと4540ぐらいか?(笑)
よい結果かと言われたら、まだまだとしかいえない。
でも自分の中に一つの指標ができた気がする。
これは自分にとっての糧になる。

特に試走から4分も縮められたのは収穫だ。
それまでの自分に勝てたのだから。

やはりレースという特殊な空気の後押しなのか。
みんなが周囲で頑張っている。
わしも負けるわけにはいかない。
そんな思いが、いつもよりも脚を回させたのだろう。

もうすぐ50になるヘタレおやじのわしにもそんな闘争心のカケラが残っていたのだ。
人より少しでも速く走れるとうれしいというシンプルな感情があったのだ。
しんどくて、楽しくて、そんなことを発見できた一日だった。

5時前に出発した。
今回も相棒のken2さんが迎えに来てくれた。
いつもありがとう。
ルーフにウノ君を乗せ、一路、会場のある島根県飯南町へと払暁の高速道路をひた走る。




ところどころ霧がかかっているが、天候の大崩れはなさそうな感じだ。
三次の手前はやっぱり濃霧。
「キリコちゃんじゃ~」と言いながら走る。
1時間で三次ICに到着。
国道54号を北上し、赤名峠を越える。
ICから30分で会場の琴引ビレッジ山荘 に到着
ついにきちゃいましたよ。



今回、ken2さんは秘密兵器「固定ローラー」を持ち込んでいる。
そのためにわざわざ、アルミフレームのGTをもう1台持ち込んでいるのだ。
わしもアップのふり。

撮影・ken2さん

固定ローラーは結構しんどいので、結局ほとんど回さなかったのだけど。
その代わりに周囲を一回り。
みんな同じようにアップしており、気分が盛り上がってくる。

以前、極楽寺でご一緒(スタート地点だけね)したネ申もご降臨。
お友達を紹介していただく。
ご夫婦でいらしている方もいる。
わしは・・・(遠い目)


きっとみなさん速いのでしょうね。
でもこういった時間が楽しい。
年齢も職業も関係なく、ただ自転車好き、坂好きの共通項でつながるだけなのけど。



そして7時半から開会式。
飯南町副町長たちのあいさつがあって、滞りなく終了した。



815分の出走までには間がある。
わしはトイレで軽量化に成功。
ビブショーツなので、多少面倒なのだが。
それに個室の紙が危うく切れそうだった。
なんとか無事にふけて助かったが。


今回のわしの装備をちょっと。
バイクはピナレロFPUNOカーボン。
ホイールはMAVICのキシリウムエリートだ。
替えチューブが入ったサドルバッグは軽量化のために外した。
万一のことがあったら、押して上ります(^_^;)
だけど、携帯ポンプは外し忘れたのだけど。中途半端やなあ。
ウエアはMCRチームジャージを上下。
実は下のビブパンツ。パッドが異様に厚い。
これって長距離向けなのよね。
お尻のパッドがぽこっと浮いてくるのだ。
ダンシングしたら、サドルの先がパッドに引っかかって走りにくいことこの上ないのだ。
レースでは薄めのパッドがいいみたいです。どうやら。

いったん車に戻り、出走地点へ急ぐ。
開会式会場からちょっと離れた場所にスタートアーチが設置されている。
スタートからいきなり上りなのだ。




ken2さんも気合が入っている。

アーチ前には参加者がずらり。
まず女性、50代がスタートし、それから高校生と20代、その後に30代、40代が5分おきに出走する。
48歳のわしが所属する40代が一番最後ね。
でもいろんなバイクが出場しております。
中にはこんなファットバイクも。
これで上るのか!すごすぎる。


スタート前。
緊張しているのか?わしは。
別段、誰も期待していないし、されてもいない。
わし自身も期待していない。
なのに緊張するのか?

タイムを競うレースなんて高校生の耐寒10キロマラソン以来だよ。
前方では近くの高校の報道部(放送部)の生徒さんが、選手に話しかけている。

もっとも、わしにはよく聞こえないが。
レディースと50代、20代と高校生。
出走するたびにすごい勢いで坂を駆け上がっている。
ken2さん、ネ申たちがいる30代もスタートだ。
いいペースで坂を上っている。
いよいよ次はわしたちの順番だ。






隣りの人と会話しながら緊張をほぐす。
転倒してチェーンが外れている人もいた。
わしは集団の中盤やや後ろに陣取った。
ここからいかに頑張れるか。


8時半。時は満ちた。スタートだ。


2014年7月21日月曜日

飯南ヒルクライム2014その1

720日(日)
飯南ヒルクライム2014
わしの自転車レースのデビュー戦の名だ。

撮影・サイクリストビュー

舞台は島根県飯南町。
主催は5月の石見グランフォンドも手がけた島根県のNPO法人サイクリスト・ビューだ。
コースは大万木(おおよろぎ)山の麓から山頂近くまで。
標高差約600メートル、13キロのコースだ。

速い人はここを32分台で駆け上がる。
わしは先日の試走で54分台だった。
STARVAで確認したら下から2番目。なんと。


これには萎えた。
所詮はこれだけかよ、と。
こんなんで大会に出てもいいのかと。
しばらく落ち込んでいた。
でも、これが実力だから、しょうがない。
現実を受け止めるしかない。
試走を少しでも上回る、それを目標とした。

どれだけ短縮できるか。
レースという未知の環境でいかに力を出し切るか。

昨年6月にロードバイクを始めて1年が経った。
自分がどれくらいの力をつけたのか。
公の場で試してみたいと思う。

いざ、参らん。