2015年10月25日日曜日

県北広域農道祭り BRM927広島200km その5(完)

167.98キロ地点、PC4のセブンイレブン広島大和町店。
チームOOさんたちとご一緒になる。
BRM725でも終盤一緒に走った。
よほど脚力が似ているのかな?



日が沈む。
だんだん涼しくなってくる。
サングラスを眼鏡に替えた。
10分ほどで補給を済ませた。
食欲は落ちていない。
最後の区間へと走り出す。


小さな峠を越える。
田んぼの中の道を行く。
周囲が暗くなってきた。
この辺、路面が悪かった。
まだサングラスを付けていたケーキさんに、外すように促す。



月が出てきた。
この夜は満月の一歩手前。
山際にちらちらと見えたり、隠れたりしている。
ケーキさんの蛍光ベストは前回のブルべでわしが使ったもの。
今回、わしはモンベルのナイトライドベストを新たに購入したので、貸し出したのだ。
ナイトライドベストは、3900円+税と値段はちと張る。
メリットは重量の軽さと着丈の短さだ。
後ろポケットにもアクセスできる。
デメリットはプルオーバータイプなこと。
前開きだと着やすいし、温度調整もできるので、よかったのだが。


最後の峠をじわじわと上っていると、後ろから近づいてくる自転車が。
チームOOさんたちだ。
暗い夜道、これ以降は4台でトレインを組んで走った。
もっともわしが引くので、ペースはたかが知れているが。
4台分のライトが前を照らすとさすがに明るい。


そして標高347メートルから一気のダウンヒルが始まった。
4.4キロで340メートル高度を下げる8%の急坂だ。
山の中のためか虫がすごい。
顔にバシバシと当たる。
口を開けていたら、たんぱく質が補給できそうなほど。
ケーキさんはサングラスを外していたので大変だったみたいだ。
マイペースで下っていると、後ろを引き離していた。
まあ、ダウンヒルは車間を詰めないがほうが安全なので。


ようやく坂が終わった。
夜になったけど、まだ気温がそれほど落ちていない。
ウインドブレーカーを羽織らなかったけど問題なかった。
平坦になったので、ゆっくりと走る。
まもなく後続も追いついてきた。
川沿いを三原に向けて走っていく。


車なら国道2号を走るルートだが、さすがのコース設計。
今回は幹線と並行する交通量の少ない川土手を行く。
GPSの道案内があるので、不安なく進める。
暗くなっても安心だ。
4台がパックになって突き進む。
途中、国道2号を横切って、沼田川の右岸に渡る。
そしてまた川土手を走る。
雲間に輝く月に向かって、25キロ前後のペースで走る。


見覚えのある交差点に出た。
三原市街地についた。
右折して海沿いへ向かう。
まもなく国道185号に合流した。
ゴールの須波まで、あとわずかだ。
眼前に月光に照らされた瀬戸内海が広がった。


あと23キロだ。
ペダルを回すのが早くなる。
30キロ以上のペースになった。
最後のスパートだ。
後ろの3人を引き離す。


ちなみにケーキさん、マシントラブルでフロントインナー縛りだったので「追いつくのが大変だった」とおっしゃられておりました。
そういえばそうだった。忘れておりました。


ゴールの200.39キロ地点、ローソン三原須波店に滑り込んだ。
やった!完走だ!


チェック時間は午後712分。
結局、12時間12分もかかってしまった。
明るいうちに帰るという目論見は崩れた。
心中ひそかに目指していた10時間切りも、もちろんダメだった。
ま、コースが想定外に厳しかったということですな。



チームOのみなさんと歓談する。
途中のトラブルでは本当にお世話になりました。
ありがとうございました。


しばし走って、発着地点の須波海浜公園に戻る。

撮影・katayamaさん

撮影・katayamaさん


ここで終了手続き。
ブルべカードに通過時刻を記入し、サインをして提出する。

撮影・katayamaさん



スタッフの方から今回のコースの感想を聞かれ「広域農道の坂がしんどかった。坂が上らなくてはと思うと、坂を下るのがいやになった」と返答。
「みんな同じなんですね~」と言われていたのが印象的だった。
あと、位置エネルギーの大切さも力説させてもらいましたよ。ええ。


ケーキさんも変速不調のトラブルがあったものの、無事に200キロを完走。
来年は300400と上を目指しますか! 一緒に(笑)
ともあれ、楽しくつらい一日が終わった。
本当によく遊んだ一日だった。


今回のブルべを運営したAJ広島のみなさま。
トラブル時に力になっていただいたチームOのみなさま。
写真を撮っていただいたみなさま。
一緒に走ってくれたケーキさん。
本当に素晴らしい一日をありがとう。


自宅そばで食べた、締めのラーメンもうまかった。
やっぱ周一うまい。



さあ、次はどこへ走ろうか。



この項おわり

2015年10月20日火曜日

県北広域農道祭り BRM927広島200km その4

PC3、124.95キロ地点
ローソン三次京蘭寺店。

時間があれば、近くのTBC本部で自転車を見てもらうことも考えていたが、到底無理だ。
時間が惜しいが、ある程度腹持ちのいいものを食べる。

撮影・PANAランドナーさん

結局、15分ほど滞在したのかな?
PANAランドナーさん、写真ありがとうございました!

撮影・PANAランドナーさん


三次市内を抜け、三次インターチェンジの近くを通り、郊外へと進む。
のどかな風景が続く。
そろそろ午後3時。
太陽が次第に傾いてきた。
国道375号を通って、じわじわと南東方面へ進んでいく。
丘を越えたところで、左折。


また広域農道が始まったのか。
この辺、あんまり記憶がない。
なので、しんどかったかどうかも覚えていない。
何考えて走っていたのだろうか。わしら。
上って下りてを繰り返していたのかな?

山の中を抜けて、吉舎の国道184号筋に出る。
日彰館高校があった。
広域農道はようやく終わり、国道筋を淡々と南へ走っていく。




農道地獄から解放されて、平坦基調の道だ。
しかし、微妙に上っていたようで、スピードに乗らない。
150キロ以上を走り、疲れた足は思ったように回らない。
あと50キロと自分に言い聞かせ、進む。


峠のトンネルを通り、世羅町に入る。
まもなく右折し、世羅ゆめ公園への登坂が始まる。
世羅のフルーツロードだ。
ここも広域農道。
今回の広域農道祭のトリを飾る。
ここは6月に走った。
きょうはゆめ公園には寄らない。


時間は午後5時。
走り始めてから10時間が過ぎた。
当初の目論見では今ぐらいにゴールしていたはずなのだが、なめていた。
日が傾いていくる。




ナシ園の中を通る。
まだ明かりはついていないが、天に伸びるように立つ防蛾灯が目立つ。
今がちょうど収穫時期だよな。


気温が下がってきたせいか、安芸高田の広域農道ほどダメージはない。
なんとか走れる。
むしろ走りやすくなってきたかも。




田園地帯の中を走る。
いくつかのアップダウンをこなす。
ようやく167.98キロ地点、PC4のセブンイレブン広島大和町店に到着した。



通過時間は午後536分。
締め切りの午後612分に30分ちょっとの貯金。
やっぱり貯金は稼げていない。
だがあと33キロ。
これなら、なんとかゴールには間に合うだろう。
ちょっと気持ちが楽になった。



つづく

2015年10月18日日曜日

県北広域農道祭り BRM927広島200km その3

PC2で、わずか20分の貯金しかないわしたち。
まだ先は110キロと長い。
ここから頑張って貯金しなくては。
と、思っていたよ。その時は。


吉田からはじわじわと高度を稼ぎ、美土里へ抜ける峠を越える。
この辺はあんまり記憶にないなあ。
中国道をくぐって右折。
ソバの花が咲く。




なだらかな田園地帯だ。
そして左折。
99キロ地点である。


ここから今回のブルべでもっともしんどい農道区間が始まった。
まずは高北広域農道というらしい。
だが、その時のわしらには知る由もなかったのだ。
ただただeTrex神の導きのままに。


基本、広域農道は走りやすい。
昔からの道と違って、道はきちんと2車線ある。
地方道と比べてもそん色ない。
ただ、目的地を最短で結ぶルートが選ばれることが多い。
基本、広島県の田舎だから山間部である。
高い山こそないが、山がひたすら続いているのだ。
そこを地形を無視して、まっすぐ道を通すのだから、どうしてもアップダウンは避けられない。
車ならいい。車ならいいよ。早くつけるから。


でもわしらが乗っているのは自転車である。
しかもエンジンは飛び切り貧弱ときている。
これはたまらん。


高宮に出る。
国道433号を交差する。
見たことがある風景。
そうか300キロブルべの時に走った道だ。
あの時の農道もすごかったな。



いくつかのアップダウンをすごす。
だんだんと坂を上り切った後に下るのがいやになってくる。
下ったということは、また上らなくてはならないからだ。
じゃあ、ずっと上っていたほうがいいのか?
いや、それも困るけど。

だいぶ、くたびれていますね。


なんとか、峠らしき場所を越える。
ちょっと長めのダウンヒル。
いったん、川沿いの田園地帯に戻る。
そうそう、こんなとこでいいんだよ。
川沿いに道がついているほうが地理学的に自然だよ。


と、思ったら、導きの神が、左手の山に上がる道を指示する。
え、ここ無理に通らなくても三次に行けるんじゃ。
後で地図を調べたら、しっかり行けました(恨)。
でもしょうがないのでぜえぜえ上がる。
いったん途切れた高北広域農道がまた始まるのだ。


もう足が死にそう。
「誰やこんなコース考えたの!」
「位置エネルギーの大切さをなんじゃと思うとるんか。無駄遣いじゃ」
「まっすぐの道がいい!」
「いや、まっすぐですって」
「責任者でてこーい」
などとケーキさんと毒づいていると、向こうから本当にT田代表の赤いアクセラがやってきた。
「え!聞こえていたの?」
驚くわしたち。
そしてカメラを向けられると、なぜか笑顔になるという。

撮影・AJ広島代表

撮影・AJ広島代表

撮影・AJ広島代表

そして、ある意味今回のクライマックスともいえる絶望的に素晴らしい風景が広がる。
ドーン!



ほんまに一直線。
ここは北海道か。
そしてはるか向こうに上り坂が見える。
1キロ続いたストレート。
これは紛れもなく非日常だ。


今ならわかる。この景色をわしたちに楽しんでもらいたかったのだと。
でも、あの時は、そんな余裕はまったくなかった。


「なんでこんなところに道路作ったんだよ」
「税金の無駄遣いじゃ~~」
また毒づきながら、坂を下りて上ってを繰り返す。


やがて三次市に入る。
ようやくここまで来た。




道は容赦なく上っていく。
どうやら霧の海の展望台で有名な高谷山の裏側を上っているようだ。
案内看板も所々に立っている。
時間と気力、体力があれば、上ってみたいところだ。
が、そんなものは全く持ち合わせていないので、一顧だにせずに通り過ぎる。


標高440メートルから一気に300メートル近く下る。
これはいいコース。
三次のみんなが上りに来るわけだ。


江の川沿いに出た。
ようやく三次市内に到着だ。
寿橋を通り、江の川を渡る。




ようやくついたよ。
124.95キロ地点、PC3ローソン三次京蘭寺店だ。

撮影・PANAランドナーさん

時に午後249分。
タイムアウトが午後320分だから、貯金は30分。
PC2から10分しか貯金できなかったことになる。
目論見が崩れた。
本当に厳しい区間だった。



つづく

県北広域農道祭り BRM927広島200km その2

PC1で補給を終えたおやじコンビ。
再び走り始める。
きょうの相棒は長距離用のウノさん。
7月のBRM725広島300の時と装備は同じだ。
200キロだが、夜間走行を想定した準備はしている。
暗くなるまでに帰れるといいのだが。


ただきょうは変速の具合が今一つなのが気になる。
ギアが勝手に落ちる。
これは落ち着かない。


斜度はきついが短い峠をこなす。
変速の調子が悪い。
変速ケーブルのテンションを調整しながら、ペダルを回す。
ちょっときつく締めたらいいかな。


と、ガチャーン。
足がスコーン。
急いで止まる。




ん?チェ、チェーンが切れた・・・
マジですか・・・
頭の中が真っ白になった。
DNF」の3文字がぐるぐると駆け巡る。
でも、こんな山中でどうやって?
呆然と立ち尽くす。
ケーキさんと対応を考えるが、いい考えが出ない。
DNFしかないかなあ。
と思いが定まっていたころ。


後ろから救いの手が。
先日のブルべで一緒に走ったOさんが所属している、チームOの方が「大丈夫ですか」と声をかけてくださったのだ。
そして、持参されていた道具で壊れた部分のチェーンを切断。
9速用だけど大丈夫でしょう」と持っていたミッシングリンクで修理してくれたのだ。
これで走れらる。また走れる。

ありがとう!

なんて気持ちのいい人だろう

さ、行こう。

てきぱきと修理を終え「じゃあお先に」とさわやかに去っていく・・・・
な、なんて気持ちのいい人なんだろう。(fromカリ城の園丁さん)
本当にありがとうございました!
完走できたのは、あなたのおかげです!


わしたちも気を取り直して再び出発する。
20分ぐらいは停滞していただろうか。
なんとか遅れを取り戻したい。


高原の道をゆるゆると走る。
おなじみ福富の道の駅に向かう道も通る。
道はじわじわと上る。
標高は480メートルぐらいまで上がったのか。
途中で先ほど、修理をしてもらったチームOのメンバーさんをパスする。
さっきはありがとうございます!頑張りましょう!


志和への道を下りていく。
道路改修がほぼ終わったようで、快走路が続く。
一気に210メートルまで下る。
志和の交差点で右折し、北上する。
広々とした田園地帯だ。


川沿いの道を走る。
下り基調の道なので非常に走りやすい。
サイクリングの快感が味わえる。
天気もいい。
しばし下ると、志和口に出る。
三篠川沿いの白木街道だ。
元安佐北区住人には懐かしい風景だ。
可部住人のケーキさんが「見たことあるここ」とか言っている。
右折して、三次方面へ北上する。
左折すれば、1時間半もあれば自宅へ帰れるのだが。ここは我慢。


修理のおかげで、変速にも問題がない。
よかった。


軽い向かい風。
収穫間近の金色に染まった田園地帯を抜けていく。



わしのチェーン切れで余裕がなくなったけど、この辺の快走路でずいぶん遅れを取り戻せた。
ブルべは時速15キロで走ればいい。
その制限時間に対して30分以上の余裕ができたかな?
昼になって気温もじわじわと上がってきた。


広島市を抜ける。
安芸高田市に入る。



ちょっと疲れてきた。
この辺で、自主休憩と行きましょう!
道端にある「縄文あいす」に滑り込む。


以前から目をつけていたのだが、今回が初めての入店だ。
ケーキさんもお疲れだったようで、この休憩には喜んでいた。
鞭ばかりではなく飴もないとね。
おすすめの縄文あいすをいただく。




いわゆる赤米が入っているのかな。
おいしゅうございました。
お茶もおいしかったなあ。


これで生き返った。
再び走り出す。

向原の坂を上り、吉田分かれを左折する。
ここからが峠区間だ。
二人でじわじわと上っていく。
そろそろ頂上だ。

と、ケーキさんが「ジャケット忘れてきた」と言ってUターン。
道を下って、探しに戻った。
わしは道端で一休み。
ケーキさんを待つことに。
待つこと約10分。
ケーキさんが再び上ってきた。
お疲れさま!
ジャケットも見つかったようで何よりです。
さあ、急ぎましょう。
あと、もう少しのはず。


峠を吉田方面へ下る。
そろそろPC2だ。
おなかもすいてきたので、補給もしたい。
何より午後零時56分の通過時間に間に合わないといけないのだ。


吉田の町中を抜ける。
88.67キロ地点、PC2のセブンイレブン安芸高田吉田高校前店に到着した。
時刻は零時36分!

撮影・PANAランドナーさん

20分の余裕しかないけど、どうにか間に合った。
バタバタと補給を済ませる。
支払いはスマホの電子マネーで。
レシートは忘れない。
便利な世の中じゃなあ。
ここで先ほど修理していただいたチームOのメンバーさんともすれ違う。

撮影・PANAランドナーさん

頑張ってください!
我々も余裕はない。
あわただしく出発した。

撮影・PANAランドナーさん

ここから真の地獄が待っているとも知らずに。


つづく