2016年9月28日水曜日

BRM902岩国600キロ その15(完)


9月4日午前11時45分。
570.6キロ地点のクイズポイント、道の駅上関海峡を出発した。


ゴールまで30キロちょっと。
あと2時間15分で行けばいい。
とはいうものの、パンクなどのトラブルがあれば30分はあっという間に過ぎる。
平均時速20キロをキープして走ることで一致する。


来た道を戻る。
と、黒ジャージのチンクコンビとすれ違う。
お、ここまで来ているということはPC5も間に合ったんだね。
互いにエールを送り合う。
よかった。


途中から右折して山を越える。
室津半島の西岸から東岸へ渡るのだ。
短いが結構な坂。
脚をくるくる回して上りきった。
これで坂らしい坂は終わりだ。


短く急な下り坂を終えると、室津半島の東岸に出る。
右手に海を見ながら、黙々とペダルを回す。
と、対向車線から見覚えがあるような白く大きな車が通り過ぎた。
・・・・
Kooさんや!
Uターンしてきて追い抜きざま、助手席から息子さんが撮影してくれる。
あざっす!


と、思ったら岩国のノダカナ嬢も登場。
工事信号待ちをパチリ。


いやあ、これはうれしかったなあ。
最後の最後に素晴らしいプレゼントだ。
元気をたくさんもらいました。
ありがとう!


二人で走ってきたわしら。
初めての600キロ。
経験者であるずいぶんとガチオ君に助けられた。


柳井の市街地に入って、国道188号に合流する。
ガチオ君の背中が小さくなる。
次第に離されていく。
最後の最後はそれぞれで頑張ろう。


お、ノダカナがカメラを構えている。
撮ってもらいましょう。
両手を挙げたバンザイポーズ。


「まだ早い!」って叱られちゃいました(^_^;)
大畠の前でも撮ってもらいました。
ありがとー(^.^)


ちなみに今回の走行コースね。
ほぼ海沿いです。
STRAVAから

大畠の街を迂回する丘でガチオ君の姿が見えなくなった。
後は一人旅。


大島大橋をくぐる。
ここから先はお馴染みのコース。
あと10キロ。
景色が単調なのであんまり進んだ気がしない。

路肩が荒れている。
わしは尻がはれている。
太ももの上げ下げを意識して回す。
忍耐のペダリングだ。


力寿司過ぎた!
・・・
右手に船をかたどった資料館来た!
・・・
南国風の街路樹見えた!
出発点の潮風公園みなとオアシスゆうだ。


跨線橋を上る。
右手にセブンイレブンが見えた。
交通量が多い道。
慎重に横切る。
セブンに滑り込む。

5分前に到着したガチオ君、Kooさん親子、ノダカナが迎えてくれた。
出走していないのに反射ベストを着用していたOKさんも(^.^)
店内に入って、ガチオ君と約束していたモノを購入。
レシートをもらう。
4日午後1時22分、603.4キロ地点。
ゴールのセブンイレブン山口由宇店に到着した。


店外に出る。
ガチオ君とさっき買ったノンアルビールで乾杯!


くぅうううううううううううう、うまいッ!


この一杯を待っていたんだ。
ノンアルの炭酸がのどを刺激する。
達成感と充実感がほとばしる。
600キロ走ったよ。わし。
過去最高の自分になった。
過去の自分を超越できた。
良かった。あきらめないで。
本当に良かった。


しばし歓談。
EDGEを止める。
606.4キロを記録していた。


完走手続きのため、セブンイレブンを離れ、スタート地点のみなとオアシスゆうに戻る。
気分はパレードランである。

事務所に入ってT田さんにブルべカードとレシートを提出する。
我ながら、いい笑顔だわ。


お待ちかねのメダルもゲット。
喜びのあまり、思わず鼻に入れちゃいました。


手続きを完了し、ガチオ君と喜ぶ。
KOOさん差し入れのパン、うまかった


間もなくチンクジャージのモリリン、カタヤマーさんコンビも戻ってきた。
無事ゴールインだって。
素晴らしい粘り腰だ。
おめでとうございます。
後日、チンクにお邪魔して激走ドラマの一部始終を直接聞かせていただいた。
あきらめない姿勢に敬意を表したい。


今回のブルべの認定時間は39時間22分。
40時間に38分残すだけだった。
まさにギリギリだ。
エントリー31人中24人が出走。
13人が完走し、11人がDNFという過酷さだった。
最速時計は34時間27分って。
わしより5時間も早い(^_^;)


わしのタイムは下から3番目。
結局、MCRコンビとチンクコンビの4人が、今回のブルべのしんがりを務めたのだった。
40時間600キロの旅を、時間いっぱい使って楽しんだのだった。


最後に感謝を。
応援に来てくれたKooさん親子、ノダカナさんもありがとう。
最後に踏ん張る力をもらった。
一緒に走ってくれたランドヌールのみなさんも、ありがとう。
台風が近づく中、開催に奔走していただいたAJ広島のみなさんもお世話になりました。
充実した時間と空間を提供してもらいました。
留守を守ってくれた家族も。


そして何よりガチオ君ありがとう。
600キロ、本当にお世話になりました。
君の背中が、君の言葉が、わしを完走に導いてくれた。
無言有言のパワーをいただいた。
本当に本当にありがとう。
感謝の気持ちしかない。


これで今年のBRMは400キロと600キロの認定を受けた。
300キロと200キロの認定を受ければSR(シューペル・ランドヌール)だ。


さあ、次はどこへ走ろうか。


って、決まっているんですけどね(^_^;)

(完)

写真提供はガチオ君、KOOさん、ノダカナさん、AJ広島のみなさま。

ありがとうございました。

2016年9月27日火曜日

BRM902岩国600キロ その14


午前8時24分、525.9キロ地点。
PC5のセブンイレブン周南遠石店に到着したわしたち。
厳しい道のりだった。
午前9時4分のクローズ時間までの余裕は40分。
PC4から貯金を4分ほど食いつぶしたが、間に合うことは間に合った。
山岳地帯は終わった。
あとは海岸沿いの平たん路。
ようやく完走が見えてきた。

おにぎりをほおばりながら、Facebookをチェックしていると、チンクコンビがPC4に16分残しで間に合ったという投稿が。
わしたちよりもギリギリの人たちがいた!
おお、ということは間もなくPC5にも到着するのかな。
待っておきたいが、わしらとて潤沢に時間が残されているわけではない。
厳しい区間なので、間に合えばいいけど。

雨が降ってきたので、再び雨具を着込む。
20分ほど休んで8時40分には出発した。
周南市の工場群を右手に見ながら、朝の県道を南東へと進んでいく。
雨が止んできたので、コンビニの駐車場で止まって雨具を脱ぐ。
再び走り出す。
次の目的地は室津半島の突端にある道の駅上関海峡だ。
クイズポイントになっている。
制限時間がないので気が楽だ。

周南から新南陽、下松へ。
ひたすら平坦。
代わり映えしない風景が続く。
立体交差の下をくぐって、国道188号に合流する。


500キロを越えた脚はくるくると回していくので精一杯。
お尻も痛くなってきた。
骨盤などの痛みではなく、擦れによるものだ。
ワセリンを塗って予防していたけど、500キロ超すと間に合わないのね。
20キロ台前半のスピードで、距離を淡々と刻んでいくだけだ。

疲れてきた。
眠くなってきた。
二人で休めるところを探しながら進んでいく。
国道沿いの路側帯にサイクリスト二人が寝転がっていたら、さすがにドライバーも驚くだろうし。
なかなかええ場所がない。
光市に入った。
道路沿いに公園があった。
しかも都合のいいことに道の左側だ。
さらにええことに東屋も(^.^)
休憩場所に決定。

周囲に木があるので、虫に刺されるのが心配だが、ウナコーワがあるので問題ない。
午前9時25分、残り60キロちょっと。
ベンチに寝転がる。
15分ほどタイマーをセット。
おやすみなさい。

タイマーが鳴った。
起きる。
案の定、蚊に刺されていた。
何カ所かかゆい。
ウナを塗る。薬入れに入れてきた甲斐があった。
木のベンチは汗で湿気ている。
身支度と軽い補給を済ませる。
と、国道をさっそうと走り去る黒ジャージの自転車が2台。
チンクコンビだ!
手を振る。向こうも気付いてくれたみたい。
間に合ったのか?
その時は確かめるすべもなかった。

9時55分、30分ほど休んで出発した。
休むと元気になる。睡眠こそパワー。
休憩前より若干ペースが上がる。


室積を抜けると、道は海岸沿いに出る。
台風の影響で、曇り空だが、海は気が晴れる。


小さな岬を過ぎると、向かい風が強くなってきた。
田布施町に入る。
右折して国道188号を外れ、南周防大橋へ。
平生町に入る。

室津半島の海岸沿いを進んでいく。
基本は平坦。
軽いアップダウンがあるだけだ。
上関半島の突端へ向けての快走路だ。
地元のサイクリストとも何台かすれ違った。
日曜の朝、こりゃ確かに絶好の朝練コースだわ。
以前、Ken2さんと走った時は冬場だったので、北風と波しぶきの歓迎を受けて往生した。
今回はそれに比べれば天国だ。

上関町に入る。
中電の上関原発準備事務所の前を過ぎる。
海上を船が行きかう風景が見えてきた。

あと少しのはず。
EDGEの走行距離をにらみながらペダルを回す。

漁港が見えた。
午前11時30分、570.6キロ地点。
クイズポイントの道の駅上関海峡に到着した。

ふむふむ。クイズの答えは「i」じゃね。

補給とトイレを済ませ、11時45分には出発した。

つづく

2016年9月26日月曜日

BRM902岩国600キロ その13

ゴールまであと100キロ。
4日午前7時。
締め切りまで残り7時間。
元気な時ならなんてことはない。
でも・・・
やれるのか、わし。


錦川沿いの快適路が終わり、菅野ダムへの上りが始まる。
結構な斜度がある。
それぞれのペースで上っていく。
ようやくダムの堰堤部分に到達した。
堰堤の上が道路になっているので渡る。
先を行くガチオ君が何かを指さしている。


おお、堰堤の下から雲が吹き上げている。
おお、これはすごいわ。




堰堤を越えると、ダム湖周辺を走る道が続く。
小刻みなアップダウンが続く。
斜度も結構ある。
我慢の時間だ。
耐える時間だ。
辛抱の時間だ。

橋を渡り、ダム湖から離れていく。
上り坂が続く。
ようやく上りきる。
民家が増えてきた。
田園地帯が目の前に広がる。
周南市の須々万地区だ。
脚はもう売り切れている。


国道434号から国道376号のバイパスに合流する。
ゆるい坂なのにスピードが出ない。
10キロ以上が出せない。
400キロでここ走った時はもっと楽だったのになあ。


ガチオ君が「もう少ししたら下りですよ」と励ましてくれる。
そうなのよ。
この辺は、わしもコースの下調べはしているので、それは承知している。
バイパスが終わり、左折。
国道315号に入る。
もう少しで峠だ。
あと2キロぐらい。
ゆるい坂だ。
なのに、とんでもなくしんどい。
脚が重い。体が重い。
六日市での補給不足で、ハンガーノック気味になっていたのかもしれない。
とにかく下り坂まで頑張ろう。
そうすれば、あとは重力に任せるだけだ。


日曜朝とはいえ、通勤時間帯なので車は多い。
這うように進むわしをびゅんびゅんと抜かしていく。


そして。
峠のトンネルが見えた。
午前8時過ぎ。
最後のヤマが終わったのだ。
後は平地基調のはずだ。


トンネルを抜ける。
ダウンヒルが始まる。
結構、斜度がある。
カーブも多い。
道は半分ウエット。
乾いた部分だけを走れるといいけど、そうもいかんし。
車もそこそこ多い。
気を使いながらのダウンヒル。
慎重に。慎重に。
で、無駄に坂が長い。
眼下に見える徳山の街並みがなかなか近づかない。


終わらない。
ブラケットだとブレーキをかける握力が心配になってきた。
下ハン握って、ブレーキをかける。
踏ん張れ、わし。
耐えろ。
標高差380メートル、距離約9キロ。
今回、何カ所かあったダウンヒルの中で、周南への下りが一番厳しかった。
体力、気力が低下している中で、実にしんどい時間だった。


ようやく住宅地に出た。
国道2号の周南バイパスを横切る。
とろとろと下っていく。
左手にセブンが見えた。


午前8時24分、525.9キロ地点。
PC5のセブンイレブン周南遠石店に到着した。
午前9時4分のクローズ時間まで余裕はわずか40分。
危なかった。


ちなみにPC4からPC5までの平均時速は14.47キロ。
そうかブルべの設定時間である15キロを下回っていたのか。
この間のコースが厳しかったことの証しだ。


ゴールまで残すは80キロ弱。
午後2時までにゴールすればいいので、5時間半はある。
ここでようやく600キロ完走を確信したのだった。

つづく