夕暮れのローソン美祢IC店の駐車場から、美祢の工場群を望む。
人工の美しさと醜さ、天然の美しさとが入り混じった、得難い風景だ。
このカウンターがありがたい。 |
30分ほど休んだので出発する。
ここでもお尻にワセリン塗り塗りした気がする。
そんなこんなで時間がかかったのだ。
東へ。
ここからは山口市へ向かう道だ。
美東町までは穏やかな丘陵地帯を行く。
途中までは一緒だったが、次第にガチオ君に離されていく。
やがて一人旅になった。
足が違い過ぎるということか。
ただ無理してもしょうがないので、淡々と進むしかない。
わしに走れるペースでいくしかない。
夜の道は目印もなく、ただただeTrexさまの導きに従うだけだ。
ガチオ君はキューシートだけで走っているけど、大丈夫かなあ。
いくつかの交差点を過ぎ、美東から山口へ抜ける国道435号の大峠への道に差し掛かる。
相変わらずガチオ君はいない。
だらだらとした上り、そして時折現れるトンネル。
前回の400キロは、この上りでアドレナリンが出まくっていたのだろう。
あっという間に過ぎ去った。
しかし今回はそんなことなく、時間は刻々として遅々として歩んでいく。
あれ?前に自転車が。
ほかのランドヌールが。
確か美祢のコンビニでもお会いした人だ。
声を掛けて抜かす。
あ、貧脚オヤジのわしでも時には抜かせることがあるのね。
「先に行った人がいませんでしたか」と尋ねる。
「ちょっと前に行きましたよ」とおっしゃる。
よかった。
ガチオ君、ミスコースせずに上っているんだね。
安心した。
とはいっても、わしのペースが上がる訳でもなく、よれよれと上っていく。
後ろを振り返ると、誰も見えなくなっていた。
ちょっとした優越感。ほんま自己満足だ。
とはいっても、またどっかで抜かされるのだけどね
どれくらい上っただろう。
自作キューシートのデータによると標高300メートルに達したぐらい。
ようやく鳳翩山トンネルの入り口が現れた。
ようやくピークだ。
長いトンネルを抜ける。
お!ガチオ君。
大変、大変お待たせしました。
こっからはダウンヒル祭り。
さあ、下りましょう。
というわけで、大峠のダウンヒルに突入する。
眼下に山口盆地の夜景が広がる。
わしとしては、いいペースで下っているのだが、ガチオ君はさらに速い。
うひゃあ。
後ろからくる車をパスしながら下っていく。
夜間とはいえ、前回のブルべで見慣れた風景だ。
安心感がある。
山口市吉敷に下りる。
ガチオ君が待ってくれていた。
ありがとう。
一緒に行きますか。
国道9号バイパスに出る。
前回のブルべでも休んだセブンイレブンで補給する。
378キロ地点、午後8時46分。
バナナもぐもぐ |
補給して再出発した。
本格的な山岳区間に入る前に仮眠を取ることにする。
ちょろっと走って、ガチオ君と県庁前のバス停に滑り込む。
午後9時16分に到着。
さすがにこの時間なら一般の利用客は誰もいない。
バス停といっても、四方が囲まれたちゃんとした建物だ。
ベンチがあり、本当に素晴らしい場所でした。
タイマーを15分ぐらいにセットして休む。
長く休むと、脚が固まるから。
目をつぶる。息を整える。
あっという間にタイマーが鳴る。
早い、早いよ。
ごそごそと起き出す。
結局、20分ほど休んでいた。
午後9時半過ぎ。
これから夜はいよいよ深く、山も深さを増す。
正念場だな。
9号バイパスを東へと走り出す。
山口県立大を左手に見ながら進んでいく。
交差点を二段階右折して、国道376号を仁保方面に進む。
周囲から街の明かりが消え、夜の闇に包まれる。
仁保地峠を越え、仁保の道の駅の前を過ぎる。
荷卸峠にかかる。
上りが始まると、ここでもガチオ君との距離が開き始める。
いったん頑張って追いつく。
峠を越えると、まもなく次のPCだ。
「徳地のPCで待っていて」と声をかける。
再び引き離されていくわし。
淡々と走る。
300キロを超えたころから、左足のアキレス腱が痛くなってきた。
足首に力が入らないように、太ももを引き上げる感覚でペダルを回していく。
そうすると痛くない。
前半は不要な力が入っていたのだろう。
長距離時のペダリングは奥が深い。難しい。
それと、荷卸峠の上りあたりから心拍数が上がりにくくなった。
それなりに頑張ってはいるのだが、上りなのにおおむね110台。
高くても120台にしかならない。
疲れの限界を超えたので、それ以上頑張ることを体が拒否しているのか。
よく分からないけど、こんな感じは初めてだ。
山は暗い。
右手を並行して走る中国自動車道から時折、車の走行音が聞こえてくる。
トンネルを過ぎる。
星がきらめていた昨夜と違って、曇り空だ。
台風が近づいてきているので、風が湿気ている。
なんとか天候が持ってくれるといいのだけど。
登坂車線が表れる。
自転車乗りで登坂車線が好きな人は少ないのではないか。
だって坂がきつくなるんだもん。
eTrexさんが▲のピーク印を表示している。
そろそろ標高約260メートルのピークだ。
ただ、この峠は登坂車線が始まってからが長い。
最後の最後に斜度も増す。
いやな峠やなあ。
しばらく我慢が続く。
ようやくピークだ。
一息入れる間もなく下り始める。
4キロのダウンヒル。
あっという間に位置エネルギーを消費する。
平野をしばし、走る。
午後10時55分、401.5キロ地点のPC3ローソン徳地堀店に到着した。
こんな写真しか・・・ |
つづく。
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