最大の難関である三つの峠を越えた。
午前11時12分。
430キロ地点、PC7のローソン久万大谷店。
締め切りが11時40分なので、貯金はわずか28分。
間に合ったよ。 |
が、今は山場を越えた安堵感に包まれよう。
ひとときの満足感に浸ろう。
くつろぎのみなさま。 |
昼前なので、がっつりと食べる。
和風ボンゴレパスタを食べる。
おやつのカスタードシューも食べる。
食後のコーヒーもいただく。
同じギリギリ隊の皆さまと健闘をたたえ合う。
みんな一山越えて、解放された表情だ。
この時点で何とかなりそうとの確信を得た。
しかし、それはまだ甘い算段だったことを数時間後に思い知らされるのだが。
あと越えるべき峠は一つだけ。
このPCから11キロ先にある三坂峠である。
標高700メートル以上なのでまだ約200メートル以上高度を稼ぐ必要がある。
高原の道をゆく |
高原の町だけあって空が広い。
開放的な田園地帯の中を黙々と走って行く。
きつい坂ではない。
ただひたすら長い。
これが四国クオリティ。
先刻、腹いっぱい食べたので睡魔がやってきた。
と、道端にホテル発見。
さっそくチェックインする。
隣にはトイレまである最高の環境。
ちょっと眠りますか。
高級ホテルに投宿。 |
zzz。
10分ほど休んだかな。
再び上り始める。
峠は自動車用のバイパスができているらしく、自転車は旧道へと回される。
松山まで25キロか。 |
高いところまで上らんといけんけど、車が少ないのはありがたいな。
標高約720メートル、三坂峠に着いた。
ようやく三坂峠のピーク。 |
これで今回の峠タスクはすべてコンプリート。
あとは平地基調だ。
もう楽なはずだ。
と思っていました。この時は。
はるか眼下に松山市郊外の田園風景が広がる。
実にいい眺めじゃないか。
さわやかな風景。 |
キラキラの木漏れ日。
鮮やかに輝く新緑。
吹き渡る薫風。
世界がわしらの健闘を寿いでいる。
ここから今回のブルべ最大の標高差を下るダウンヒルが始まる。
松山市の郊外まで約700メートルの下りだ。
だが、下りても下りても坂は終わらない。
風がそこそこ強いので気を使う。
路面がドライなのが唯一の救いである。
道は結構荒れている。
バイパスと合流してからは車の交通量も増えた。
後ろをうかがいながら、慎重に下っていく。
抜いていく車が数知れず。
まだか。
まだか。
そればかり考えて、ブレーキレバーを握りしめている。
周囲の風景で、高度が下がっているのがわかるのだけど、でも終わらない。
ま、標高差700メートルの坂なんて、そんなにあるものではない。
うちの近くではええとこ300メートルだもんね。
てことは湯来の天上山並みか。
長いわけだよ。
延々20分下って、ようやく下界に下りた。
もう下りはいい。
できるならずっと上っていたい。
疲れた。
ケーキさんも下りてきた。
よかった。二人とも無事故で。
さ、行きましょう。
交差点を右折し、松山の市街地に向かっていく。
だんだん建物が増えていく。
車も増えていく。
信号も増えていく。
今日4日はゴールデンウイークのど真ん中。
車も多いわけだ。
松山市街地に入ると、気温も徐々に上がり始めてきた。
さっきまでの爽やかな高原地帯とえらい違いである。
三坂峠では18度ぐらいだったのに、25度を超えている。
季節が一つ違う。もう夏だわ。
見覚えのある場所を通る。
あ、ここ松山城下の公園だわ。
松山城下に到着! |
交通量の多い道をのろのろと進む。
200キロブルべ翌日の松山観光で走った風景の中を行く。
しかし暑い。
長袖ジャージのままだからさもあらん。
市街地を抜け、郊外に差し掛かってきた。
左手にローソンが。
辛抱たまらん。ちょっと休もう。
474キロ地点。
時刻は午後2時過ぎ。
次のPC7まで約20キロで、1時間48分あるから間に合うだろう。
ガリガリ君で脳がキーンと冷える。
ありがとうガリガリ君。
ナイスアシストだ。
目が血走っておる。後ろに魂が抜かれた人が |
ここで長袖ジャージを半袖ジャージに着替えた。
少しは楽になるだろう。
2時20分ごろに出発した。
次のPCまで残り1時間半だ。
国道196号を今治へ向かって北上していく。
田園地帯のバイパスから、海岸沿いに出る。
スピードは20キロ台前半。
決して速くない。
だが、後ろに付くケーキさんがじわじわと遅れてくる。
だいぶダメージが蓄積されているようだ。
しかし進まないと終わらない。
いくしかない。
左手に瀬戸内海が広がる。
海岸沿いは風もそこそこあった気がする。
風向を覚えていないので、ひどい逆風ではなかったのだろう。
車の通行量は相変わらず多い。
今治へのブルーライン表示を頼りにペダルを回す。
道の駅はパス。
なかなか進まない。
次のPCが遠い。
EDGEの距離表示をにらみながら脚を回す。
まだか。
まだか。
古い街並みに入る。
右手にサークルK。
ここじゃない。
左手奥にローソンの看板が。
492キロ地点、PC7ローソン菊間町店だ。
店に滑り込む。
ざるそば、お茶、ヨーグルトドリンクを買って支払い。
午後3時32分。
締め切りの3時48分まで、わずか16分。
よかった。
ギリギリだが、なんとか間に合った。
まだ旅を続けられる。
つづく。
三坂峠のダウンヒルでは初めてブレーキを握りすぎて握力が無くなって途中のカーブで膨らんでしまい反対車線へ飛び出す寸前まで逝きました(苦笑)。松山市内~PC7まで酷い逆風でペダルを踏んでも約20km/hも出ない状況下でしたので、この区間では本当にDNFして松山港からフェリーで帰宅しようかと考えていましたwww。
返信削除ツネさん、三坂の下りエンドレスでしたねえ。
削除無事故でフィニッシュできて何よりです。
松山からフェリー。なんと甘い響きでしょか。
でも呉から須波へ行くことを考えるとww
あ、輪行すればいいのか(^-^;